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【特別講義8】免疫反応の制御と制御制T細胞

私達のからだを守るために重要な免疫反応ですが、病原体などの異物を退治した後も全力で働いてしまうと、自分自身を傷つけてしまうことがあります。そこで、今回の特別講義は順天堂大学の垣生先生より「免疫反応の抑制と制御性T細胞」というテーマでご寄稿いただきました。ぜひお楽しみください。

■ 講師紹介ページ:順天堂大学 垣生園子 先生

 

 

“免疫反応の抑制と制御性T細胞” 
順天堂大学医学部 アトピー疾患研究センター 客員教授
垣生園子 先生


 
 前回は、T細胞は抗原刺激を受けると活性化され、多彩な機能を発揮して生体防御に貢献すべく免疫反応をリードすることを述べた。しかし、免疫反応は活性化されっぱなしでは生体が破綻するので、刺激後にその活性化状態を終焉させて、新たな抗原に向けての臨戦体制を準備しなければならない。そこには何らかの抑制機構が必要であるが、闇雲に免疫反応を低下させたのでは、生体防御としての免疫機能は失われる。特定の抗原に対して惹起される特異的免疫反応のみを抑制することが望まれる。抗原特異性をもつT細胞がその役割を担っていることが古くから提唱されてきたが、その実態は今世紀になってやっと見えてきた。

 免疫反応を抑制するT細胞サブセットは、サプレッサー、抑制性T細胞あるいは制御性T細胞等とよばれているが、最近の傾向は制御性T細胞(レギュラトリーT細胞、Treg)が一般的呼称となりつつある。尤も、制御とは抑制のみならず活性化も含むとの観点から、抑制性T細胞が好ましいとの意見もある。制御性T細胞には、エフェクターT細胞と識別できる細胞表面マーカーやFoxp3に代表される転写因子が見いだされ、同T細胞の機能解析に大きく貢献している。例えば、CD4+CD25+Foxp3+T細胞は代表的制御性T細胞として市民権を得ており、同細胞のみを欠如させると自己免疫疾患様症状が出現することが示され、制御性T細胞は自己成分に反応するT細胞の活性化を抑制していることが明らかにされた。また、外来抗原刺激が常時活発である腸管粘膜には、高い頻度で制御性T細胞が同定されており、過剰な免疫反応の活性化抑制に働いていることの傍証になっている。

 現在は、制御性T細胞がいかにしてエフェクター細胞機能を抑制するか、を解明する段階に入っている。しかし、制御性T細胞が免疫反応を抑制する機序を詳細に解析するためにも、より深く理解するためにも、いくつかの留意点が浮かび上がってきている。まず、制御性T細胞に特徴的マーカーが見いだされてはいるが、それらは抑制機能をもつT細胞全てに共通しているわけではない。例えば、CD4+CD25+Foxp3-T細胞も、CD4+CD25-Foxp3-LAG3+T細胞も抑制機能をもつとの報告がある。それらは、分化過程や誘導方法が多様であるが、免疫反応を抑制するT細胞サブセットとして括られているのが現状である。また、抑制方法に関しても、制御性T細胞自身が抗原刺激を受けたエフェクター細胞の活性化に直接負のシグナルをいれるというよりは、むしろ、抗原認識をしたT細胞が活性化するために必要な正の補助シグナルを制御性T細胞が阻止する、とするシナリオが比較的広く受け入れられている。(注:T細胞はT細胞受容体(TCR)を介したシグナルのみでは活性化されず、T細上のCD28分子が抗原提示細胞(DC)上のリガンドCD80/86と結合することによってT細胞に第2のシグナルを導入することが必要である。制御性T細胞はCD28と競合するCDLA-4のような補助分子を高く発現しており、CD80/86と強い結合をすることによって、エフェクターT細胞上のCD28との結合を阻止できる。) 以上の点を踏まえた上で、今後は、いかにして制御性T細胞が免疫反応を抑制するかの機序解明に望むべきであろう。

 免疫寛容という現象が知られている。特定の抗原に対して惹起された特異的免疫反応が抑制される状態を指す。自己成分に対しては免疫反応が惹起されない生理現象がその代表格である。一方、非生理的ではあるが、非自己である組織を移植する場合、レシピエントにおける対移植片に対する免疫寛容が成立しなければ、移植片は生着しない。いずれの寛容状態をいじするためにも、T細胞の標的である自己成分あるいは移植片は生涯生体内に存在するので、免疫寛容状態維持のためには、反応性エフェクターT細胞は継続的に分化し続けるか、あるいはエフェクターメモリーT細胞のように長期寿命をもって生体内で生存し続ける必要がある。制御性T細胞の分化・機序検討の必要性が、ここにも存在する。
 

 



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