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【特別講義 第13回】常在菌と病原菌の狭間(前編)

 細胞培養特別講義 第13回講師は、東京女子医科大学教授 菊池賢先生です。先生のご専門は感染症です。今回は細胞培養の話からは少し離れ、感染症のお話をしていただきました。

 

■ 講師紹介ページ:東京女子医科大学 菊池 賢先生

 菊池賢先生は、東京女子医科大学感染症科教授であり、臨床の現場で感染症に向き合いながら、感染症そのものの基礎から診断、治療にいたるまで幅広く研究をおこなっていらっしゃいます。当ブログでは、先生のこれまでの研究内容を研究に対する考え方を交えてご紹介いただきました。

 

“常在菌と病原菌の狭間”

~ Viridans group streptococciに魅せられて~

東京女子医科大学 感染症科教授

菊池 賢 先生

 

 <前編>

はじめに

 昨年の夏のある日、順天堂大学医学部免疫学の奥村名誉教授から、「極東製薬のホームページに随筆のようなものを書いて欲しい。内容は先生に任せるから。」とお電話を頂いた。

 

 「内容は任せるから」ということで、どのようなものかも確認せずにお引き受けしたら、「細胞培養 特別講義」とある。

 

 私は臨床で感染症を診ながら、細菌や真菌の研究を行ってきた。扱う相手は細菌や真菌で、「細胞培養」を行ったこともない。やってきたのはむしろ、「細胞培養の敵」の「細菌培養」「真菌培養」「マイコプラスマ培養」などである。

 この場にふさわしくないと思ったが、「特に内容はこだわらない」という編集部の暖かい言葉に甘えて、これまでに行ってきた研究内容や研究姿勢等を紹介させてもらえばと思う。

 

 近年は感染症医を目指す医師は増えているが、残念ながら自分の手を動かして研究を行い、新しい知見を世界に発信していく意気込みを持った若手の医師はまだまだ少ない。

 私は臨床で抱いた数々の疑問・不明なことを自分で明らかにすることを信条としており、私のような変わり種が何かに役立つことがあるかも知れない。これも一興とお付き合い願えれば幸いである。

 

感染症との出会い

 私は1985年に信州大学医学部を卒業し、東京女子医科大学内分泌内科に入局した。内分泌内科を選んだ理由は、生理学の講義で知ったcyclic AMPを介したホルモンの情報伝達システムにいたく感激を受けたからである。たまたま女子医大内分泌内科には母校の先輩が4人在籍されていた。2学年上で顔見知りだった先輩を訪ねると、「まあいいんじゃない」と言われ、深く考えずに入局を決めた。

 

 ところが、いざ入局してみると、内分泌内科の病棟なのに受け持ちに内分泌患者はほとんどいない。肺炎、高血圧、脳梗塞、心不全など何でも診る、「総合診療科」だった。

 

 内分泌内科には内視鏡やカテーテル検査のような専門技術、平たく言えば「飯の種」になるような術がほとんどない。甲状腺の超音波検査がある程度だ。このまま初期研修のローテート(当時は自分の医局で半年研修をした後、消化器内科、血液内科、呼吸器内科、神経内科、腎臓内科、糖尿病内科、循環器内科の内科全科をそれぞれ3ヶ月間回った)終了後に医局に戻ってきた後、何らかのサブスペシャリティーを持たないと、臨床医として将来飯を食うのも大変かも知れないという不安を抱いていた。

 

 研修医の2年目の頃、自分たちで開催する研修医仲間の勉強会があった。循環器内科の1学年上の先輩による「心電図勉強会」が好評で、私にも「何かやってみないか」とのお鉢が回ってきた。

 

 丁度良い機会だ。人がやらない分野で、皆が困っていることはないか? それが「感染症」だった。

 

 最初に日頃から疑問に思っていることの多かった血液培養を取り上げた。当時は血液培養の自動検出機器などなく、病棟毎に置いてある様々な培養ボトルを選択して、採取した血液を分注していた。女子医大ではRocheのSepti-Check series以外に、栄研化学の1号ボトル、OxoidのSignal bottleなど、様々な血液培養ボトルが病棟毎にバラバラに配置されていた。

 

 Rocheのボトルは非常に種類が多く、TSB, BHI, BHI+sucrose, Columbia, Shaedlerなどの名前が記されていた。ところが、誰もその使い分けを知らない。血液も「多く入れた方が良い」とする人も「抗菌薬が入っているから減らした方が良い」とする人もおり、いつも混乱していた。

 

 当時、女子医大臨床検査部には後の私の感染症の恩師、清水喜八郎教授がいらした。私は清水教授の元に日参することになる。先生は嫌な顔1つせず、私の疑問に1つ1つ丁寧に答えてくれた。その回答は非常に理路整然としており、いつも朝靄がすーっと晴れ渡って行くような爽快さを味わっていた。ある日、いつものように質問を抱えて教授室に赴くと、「感染症に興味を持っているなら、実験でもしてみないか? 内分泌を専門にするにしてもサブスペシャリティーがあった方が良かろう」という、有り難い申し出。ここから私は感染症にのめり込む。

  

 当時、病棟では病院感染として多剤耐性Serratia marcescensが猛威を振るっていた。今、考えるとメタロβ—ラクタマーゼ産生菌ではなかったかと思う。カルバペネムを含む全てのβ—ラクタムや既存のアミノグリコシドなどが全く効かず、僅かに新しく発売になったばかりのアミノグリコシド系のアストロマイシンとオフロキサシンだけが比較的低いMIC(8-16 mg/L程度で、単独で治療できるようなレベルではない)を示していた。methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)が問題になる数年前のことである。

 

 パルスフィールド電気泳動はまだなく、表現系、血清型と様々な抗菌薬の感受性パターンと患者の発生状況から感染経路を類推したのだが、尿路系を介した手技、特に膀胱洗浄が感染を拡大させていることをつきとめ、閉鎖経路を取り入れることにより、アウトブレイクは収束に向かった。自分の受け持ち患者がこのSerratiaの敗血症になり、生死をさまよった時に、自分でMICを測定したアストロマイシンとオフロキサシンの併用が劇的に奏効したことに感激し、私は自分の専門を内分泌から感染症に移すことになる。 

 

後編につづく

  

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